本稿の適用先:
影響を受ける SonicWall セキュリティ装置群:
E-Class Secure Remote Access (EX SSL-VPN): すべてのハードウェア プラットホーム群
E-Class サービス: Connect Tunnel, Windows 上で稼動する OnDemand Tunnel
バージョン: すべて
概要:
このKB記事はトンネル クライアント (Connect Tunnel or OnDemand Tunnel) によって、クライアント システムにおいて ブルー スクリーン (BSoD) が引き起こされた場合、または トンネル クライアント においてアプリケーション クラッシュ が起こった場合に ログ や デバッグ 情報をクライアント システムから取得する方法を記載します。
問題の特定
はじめに、自身のシステムが直面する問題の種別を、いくつかの異なる問題の種別の症状から特定する必要があります。
システム クラッシュ
一般的には、Connect Tunnel または OnDemand Tunnel によって引き起こされる システム クラッシュ (BSoD) はクライアント ソフトウェアからのドライバに起因する詳細な兆候を含みます。通常、このドライバとは ngvpn.sys です (ng で始まるファイルは Connect Tunnel または OnDemand Tunnel に関連します) 。システム クラッシュは以下の症状を持ちます:
- システムが勝手に再起動する
- システムが次のようなメッセージとともに ブルー スクリーン を表示する: A problem has been detected and Windows has been shut down to prevent damage to your computer. この場合 デバッグ 情報とともにハード ドライブ上にファイルを書き込み、その後システムは再起動します。
以下を参照し、この種別の問題をSonicWall サポート センターとともに解決するために、そのコンピュータで情報を取得します。
トンネル クライアント の アプリケーション クラッシュ
SonicWall サポートはシステムがクラッシュしていないのに、トンネル クライアント がクラッシュしたり、ユーザのコンピュータ上のその他アプリケーションがトンネル クライアントの稼働によってクラッシュしてしまうケースをいくつか検出しています。これらが発生した場合、ユーザは一般的に以下のような事象に遭遇します:
- Windows がプログラムがクラッシュした、またはエラーによってシャットダウンした旨のメッセージをユーザに表示する。もしプログラムのクラッシュがAventail 関連ならば、そのプロセス名はngで始まります。たとえば、 ngvpnmgr.exe または ngdial.exe などです。
- Windows がプログラムがクラッシュした、またはエラーによってシャットダウンした旨のメッセージをユーザに表示する。Connect Tunnel によるVPNへのログインでWindows エクスプローラ (explorer.exe) が、または OnDemand Tunnel の起動により Firefox または Internet Explorer (iexplore.exe) がクラッシュした可能性があります。
以下を参照し、この種別の問題をSonicWall サポート センターとともに解決するために、そのコンピュータで情報を取得します。
クラッシュ ダンプを取得するためにコンピュータを構成する:
システム クラッシュ
システム クラッシュの場合、コンピュータはメモリ情報を"ダンプ" ファイルとしてコンピュータのハード ドライブに保存するように構成されている必要があります。構成するには、以下の手順を実施してください:
- コントロール パネルから システム を開きます。
- Windows XP またはそれ以前の場合、詳細 タブを選択します。Windows Vista 以降では、 システムの詳細設定 リンクを選択します。
- 起動と回復 メニューから、 設定 ボタンを選択します。
- デバッグ情報の書き込み 項目で、ドロップダウン メニューから 完全メモリ ダンプ を選択します。(※Windows7 で完全メモリダンプを取得するにはレジストリの変更が必要です)
- OK を選択してこの設定を保存し、再びOKを選択して設定ウィンドウを閉じます。Windows Vista以降の場合、システム コントロール パネルも閉じます。
次の 情報の取得 セクションを引き続き実施します。
アプリケーション クラッシュ 、または トンネル クライアント クラッシュ
Windows エラー報告 (WER) を有効にし、トンネル クライアント またはアプリケーション クラッシュの際に クラッシュ レポート が生成されるようにします。WER が有効であるかを確認するには、以下の項目を確認してください:
Windows XP
- コントロール パネルから システム を開きます。
- 詳細設定 タブを選択します。
- エラー報告 を選択し エラー報告を有効にする が選択されていることを確認します。
- OK を2度選択し設定を保存します。
Windows Vista
- コントロール パネルから 問題のレポートと解決策 を開きます。
- 設定の変更 を選択します。
- 詳細設定を行います を選択します。
- プログラムに対して、問題レポートを有効にするかどうかを選択してください: 項目から 有効にします を選択します。
次の 情報の取得 セクションを引き続き実施します。
情報の取得
SonicWall サポートは、これらの問題が発生した際にクライアント システムから以下のような情報を必要とします:
- その問題を再現させるために必要な手順はなんですか?
- その問題は完全なシステム クラッシュ (BSoD) ですか?それともアプリケーションやトンネル クライアントのクラッシュですか?
- そのクラッシュは継続して再現できますか?または散発的に発生しますか?
- Windows バージョンおよびサービス パックはどれを使用していますか?
- どのくらいのユーザまたはコンピュータがその問題の影響を受けていますか?
- オフィシャル リリースがされる前に問題が発生するコンピュータでパッチ をテストすることを希望しますか?
- 併せて以下の情報をデータとして提供してください:
- クラッシュ ダンプ ファイル (詳細は以下に記載します)
- Windows システム情報ファイル
- トンネル クライアント、またはngutil ログ情報
以下は上述した#7 アイテムに列挙された個々の情報を取得する方法です。
クラッシュ ダンプ ファイル
Windows アプリケーションがクラッシュする場合、Microsoftに問題を報告する旨のダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログはまた、問題の詳細情報を閲覧できるオプションを含んでいます。そしてこの問題の詳細には取得した情報が保存されているディレクトリ情報があります; おおむね c:temp または c:windowstemp です。Windows XPとVistaの両方とも、ファイルのあるディレクトリや情報に含まれるファイルは、Windows エラー報告ダイアログ ボックスが表示されている間は 安全な場所に複製できます。この情報を送付していただくことでSonicWall サポートはさらなる調査を行います。このダイアログ ボックスを閉じるとアプリケーション クラッシュに関するWindowsが報告したデータは削除されます。
システム クラッシュ ファイルは通常 MEMORY.DMP と呼ばれます。
こういったクラッシュ ダンプ ファイルはサイズの大きなものになりますので、SonicWallは解析のためにお送りいただく前にzip ファイルに圧縮することを推奨します。
Windows システム 情報ファイル
Windowsのシステム情報ユーティリティはサポートのために非常に有益なツールで、ハードウェアとソフトウェアの両面におけるコンピュータの特性データを生成できます。システム情報ファイルを取得するには、以下の手順に従います:
- スタート > プログラム > アクセサリ > システムツール に移動します。
- システム情報 を選択します。
- プログラムが起動し、自身の情報を更新します。
- ファイル > 保存(またはエクスポート)を選択します。
- システム情報 (.NFO) をローカルに保存し、その他の情報とともに送付してください。
トンネル クライアント (ngutil) ログ
SonicWall サポートおよび開発チームはまた、クラッシュした際のトンネル クライアントのログ情報を必要とします。このセクションではデバッグ情報をログとして記録するためのクライアントの設定、およびそのログ ファイルをサポートと共有するための手順を説明します。トンネル クライアントは ngutil というログ ユーティリティを使用してログを閲覧したりログ設定を行ったりします。
- コマンド プロンプト を開きます。スタート > ファイル名を指定して実行 を選択し、cmd.exe を実行します。
- 以下のコマンドを使用しデバッグ イベントをテキスト ファイルに記録するよう ngutil を構成します:
ngutil -reset -severity=debug
備考: Windows Vistaの場合、クライアントがこれらのイベントのログを開始するためにAventail VPN サービスを再起動する必要があります。再起動を実行するには次のコマンドを使用します:
net stop ngvpnmgr
net start ngvpnmgr - 次の 情報の取得手順 セクションを引き続き実施します。
情報の取得手順
- コマンド プロンプト を開きます。スタート > ファイル名を指定して実行 を選択し、cmd.exe を実行します。
- トンネル クライアントを開始する前に、ログ データをテキスト ファイルに記録しサポートに送付するために ngutil をセットします:
ngutil -tail=10 -poll=1 > c:ngutil.log - 問題を再現させます。もしこれがシステムの完全クラッシュであれば、利用中のシステムが再起動した後にクラッシュ ダンプを取得することができます。もしこれがアプリケーション クラッシュであれば、Windows エラー報告ダイアログが表示されます。前述した手順を確認してクラッシュ ダンプが保存されているディレクトリからデータを取得します。
- システム情報ファイル、トンネル クライアント ログ、およびクラッシュ ダンプを取得してひとつのフォルダにまとめます。データを格納したそのフォルダに日時を含めた名前をつけます。たとえば、13May2009-1530 などです。
- そのフォルダをZipし、SonicWall カスタマー サポート センターに送付します。
- SonicWall サポートは頂いた情報を速やかに開発サイドに共有し、問題の確認を行います。